クラブ紹介;アイアン②のところで「MOIマッチングをしてもらった」という話をしました。そこでざっくり話はしましたが、吉岡さんの許可をいただいたので、SPEC表を公開してもう少し詳しく見てみたいと思います。
MOIとは慣性モーメントの事です。ここで注意が必要なんですが、一般的には慣性モーメントはクラブヘッド、特にドライバーのヘッドで語られる方が一般的だったと思います。「このドライバーはMOIが大きいからヘッドが回転しにくく、易しい」とか「このドライバーはMOIが小さく操作性が高い(難しい)」という具合です。しかしながらここで言うMOIはクラブ全体のものです。MOIが小さいほど振り易く、大きいと振りにくい、という事になります。単位も桁が違っていて、前者の場合はg-c㎡ですが、後者の場合数値がでかすぎるのでkg-c㎡を使います。
さて合せ方なんですが、アイアンセット全てのMOIを測定(表の真ん中やや右)し、どの番手に合わせるのかを決めます。私は8番アイアンが得意なので8番アイアン(2,625kg-c㎡)に合わせる事にしましたが、PWに合わせたっていいんです。BeforeのMOI値を見ると7番から上は大きく、下の9番やPWは小さいです。そこで上の番手はヘッド内部を削って軽くし、下の番手は鉛粉を加えて重くし、2,625に合せていきます。
そして完成したのがAfterです。6本とも2625±1に収まっています。誤差は±3以内とされているので凄い精度です。またびっくりするのは総重量(表の右端)がほとんど変わっていないにも関わらず、6本のスイングウェイト(バランス)がD0からD3に奇麗にフローしてますね。
スイングウェイトが振り心地を揃える指標だったんですが、どうもこちらの方が精緻な指標なのではないかと思いました。たかが数値と思うことなかれ。実際、5番、6番が打ち易くなりました。競技2連勝はMOIマッチングのお陰・・・かも知れません。
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